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高松宮妃杯に出てきた。ハンドレビューをしてみんとす。

1. 前書き


こんにちはICBC管理人の鶴です。なんかブリッジに関係ない話ばかりブログにしてたので、ふと思いなおしてちゃんとそれっぽいものを書いてみることにしました。


ガチ勢の人はその視点から、ゆるゆる勢の人はなんとなく読んでもらえると嬉しいです。


2. 試合結果


さて、週末に高松宮妃記念杯(以下、宮妃)というものに出てきました。JCBL主催のブリッジの試合は上から順番にナショナル、リジョナル、セクショナル、ウィークリーみたいな感じでランク付けされており、宮妃はナショナルに当たります。要するにおっきい大会です。1日目が予選となっており、上位60%ぐらいが予選抜けで2日目に進めます。

2日目は1日目の結果が多少キャリーオーバーとして残りながらの決勝戦です。


宮妃は男女ペアで参加することが条件となっているため、女の子をいかに宮妃にかこつけてデートに誘うかというところが一番重要です。

気になっている女の子がいる人には1年に1回の大イベントですね。


はい、冗談です(笑)。僕はちょくちょく組んでくれているスポンサーの方と一緒に参加しました。結果は予選は全プレイヤーの平均値ぐらいのスコアで予選抜け、決勝もなんやかんやあって平均ぐらいでした。はい、ブログにするにあたってなんも面白くありません><!!


でもいいんです。楽しくできるなら。

ナショナルは敷居が高く感じる人も多いと思いますが、気軽に出て大丈夫なので、みなさんぜひ参加してね。


3. ハンドレビュー


いろんなボードがありましたが、鶴が反省したいボードをピックアップしたいと思います。


①5の代の競り合いは難しい

決勝戦後半 board 14( dealer: E, both none)


鶴のハンドは

AJ84

KQ864

K9

52


4番手のNだったので、フラナリーオープンするかーと思ってのんびり待ってたら、

1番手の左側が3Sでオープン、なるほど~。

と思うと、目の前のパートナーが4Dでオーバーコール、なるほど~!?

と思うと右側が5Cでオーバーコール、なるほど!?!?!?


(3S)-4D-(5C)-?

さて僕の手番です。どうしたものか。。。僕はパートナーのハンドを推定し始めます。

テーブル外の情報として、左側のオポーネントはどちらかといえばビッドが軽めであることを知っています。右側はご高齢のマダムで、一般論の傾向としてビッドは重め、しっかりしたクラブを持っていそう。本線はAKQxxxxやKQJxxxxxなどで4Sを捨てていることからスペードは1枚が本命、0枚もあり得ます。


ではパートナーのハンドは?

ぼくのなかで本命は

xx

Axx

AQJxxxx

Ax

ぐらい


弱いレンジだと

CAがCKになってDJがないぐらいか・・・

パートナーがCAだと7NTまで、CKだと6NTまでのはず。6DはCラフのリスクが結構ある。

Cにコントロールがないと落ちてしまうけどそれは5Dですらもうダメそうだし、そこまで弱いハンドはきっと入ってない。まあ仕方ないかな。


と、いうわけで鶴が選んだのは 5S !!

スペードのコントロールを示しつつ、グランドスラムトライです。パートナーが6Dで抑えてストップして、パートナーのプレイを見守ります。


全員のハンドはこちら!

4Dのハンドがすごく弱い。。。あっという間に2downしてこのボードはほぼボトムでした。フィールドで一番多かったのは3Sスタンドでこれはおそらく3Sオープンが流れていったもの。次に多かった4SはおそらくWが3Sに対してレイズしたのでしょう。3S-P-5C//みたいな動きをしたであろう5Cもいました。


このハンド、パートナーの4Dオーバーコールが弱いなあと思って終わってしまうとそれまでですが、ICBC管理人の亀さんなど何人かの意見を聞くことができました。


亀さんはN側でXをビッドし、おそらく

3S-4S-5C-X

P-5H//

となりそうとのこと。

ペア戦なので無理にスラムを狙うのはやりすぎの可能性があること、5CをリスペクトしてCAKキャッシュやCラフが入る可能性があることを根拠としてXからディフェンスをメインに考えたいとのことでした。実戦はSが流さず5Hが帰ってきて、自力で6Hを置かないSを信用してpassするとのこと。なるほど確かに一理ある。結果から言うと5Hはベストコントラクトです。


亀さんが友達の若手プロにたまたまあって聞いてみたらしいのですが、彼の意見は5D

スラムトライは頑張りすぎかといったところ。


雑談で話していた女性の強いプレイヤーはXから入って5Hレスポンスを6Hにレイズするということでした。


さて、あなたは何をビッドしますか??(笑)



もちろんいろんなビッドはパートナーやスタイル次第みたいなところがあるので難しいですし、こういうところで正しくジャッジできるのがパートナーシップというものなんでしょうね。


僕の反省としてはパートナーのレンジを高く見積もりすぎたことだと思います。

3Sに対する4Dレスポンスは

-

AJxx

AQJxxxx

xx


みたいなクラブにコントロールがないハンドも多く入っているはずで、このコンボ数をカウントしていなかったのがオーバーランの原因になったかと。今回のパートナーのハンドほど弱いのは正直想定しなくていいと思っていますが、上にあげたハンドに備えてXが良かったんじゃないかと反省しましたとさ。めでたしめでたし。





②細かい確率計算とカードコンビネーションのとんでもなくややこしい話


先に言いますが、この話、とんでもなくややこしいです。最後まで読み切ったあなたはたぶんすごいです。どこまでついてこれるかな?(笑)


決勝戦後半 board 22( dealer: E, EW vul)


突然の問題です。4Sをプレイしていて、あなたはトランプのさわり方を考えています。


AJ95とT7432が向かい合っているとき、1敗で済ませる一番良いプレイは何でしょう?エントリーは相互に無限にあるものとします。


みなさん考えましたか??

まともな候補は

①Aをキャッシュして次にスペードスモール

②T7432側から二回フィネスする


ぐらいでしょうか


①が成功して②が成功しないのは表xx 裏にKQの1コンボ

②が成功して①が成功しないのは表にKQx、裏にxの2コンボと表にKQxxの1コンボ、合計3コンボです。


まとめると②がいいプレイです。具体的に計算すると①の成功率は70.3%、②の成功率は76.0%で5.7%差があります。


さてここから本題、以下のボードEに座っていた鶴は4Sをプレイすることになります。

リードはHx、どうプレイするのが良いでしょうか?


先ほどの議論からSのさわり方的には2回フィネスするのが最善です。エントリーも2回あるので問題はないように見えます。でも、よく見るとSを2回フィネスすると今度はDはフィネスするエントリーが不足します。スペードを使って1回だけ戻ってくることはできますが。。。


実線の鶴はスペードを2回フィネスするラインをとったためNに2回負けて、ダイヤをフィネスするエントリーが不足してしまいました><!!


エスタブリッシュしたSで戻ってWめがけてDフィネスをして、その後WからDスモールを出してDAがSから出てきて何とかメイク。でも今回はペア戦。SAをキャッシュしたペアは5メイクなのでスコアで勝てません。悲しみ。。。


ではこのプレイが、本質的には良く、運が悪かっただけなのか、それともそもそも悪いプレイだったのか改めて検証しましょう。


①SAをキャッシュするラインの場合

Sが1ルーザーで済む(2-2ブレイクと表裏のKシングルトンorQシングルトン)70.3%の場合、相互にエントリーが確保されているため、Dのフィネス勝負になり、抜けると4メイク、利くと5メイクです。オープニングリード側がDシングルトンの11.3%ではDxリード飛んでくると仮定しましょう、それが来ないことで多少Dのフィネスが効かないレンジがブロックされています。フィネスが効く確率は56.6%です。


Sが表または裏のKQxの場合もエントリーは残っており、スペードは集めきれるので、Dのフィネス勝負になり、抜けると1ダウン、利くと4メイクです。

Sが表または裏のKQxxの場合も少しプレイがややこしいですが、ほとんどDのフィネス勝負でいいでしょう。


以上をまとめると

39.7% 5メイク

47.3% 4メイク

12.9% 1ダウン


となります。


②Sを2回フィネスするラインの場合

かなり複雑です。CとHのエントリーを消費しながらSを二回フィネスすることになります。正直僕は試合中に計算しきれません。


②-α 1巡目のフィネスで表からKかQが落ちてくるパターンとフィネスが効くパターン

(表のKQxx, KQx, KQ, K, Qの29.6%)

2度目のSフィネスが不要になりますのでDは2回フィネスできます。ここは①の議論と同じになります。


②-β 1巡目のフィネスが抜けて2巡目のフィネスをして、それが効くパターン(46.4%)

バックエントリーはSで2回ですが、Sで2回戻るとCのラフができなくなります。

プレイラインは無理やりSで二回戻ってDをフィネスすることと、Dの2回目のフィネスはあきらめるパターンです。前者は表のA,Ax,Axxの時成功ですがそうじゃないと、正しくディフェンスされるとトランプコントロールが飛んで大体1ダウンです。後者は表のA,Axの時成功で5メイク(18.4%)、表のAxxを含むほかのパターン(81.6%)はジャストメイクです。ペア戦だとどっちがいいか難しいです。(Axxは20.3%、表のDシングルトンがないと考えると22.8%です。)メイク率最大のDを1回だけフィネスするラインをとることにしましょう。


②-γ フィネスが2回抜けるパターン(24.0%)

めちゃきついですが、こちらはSを2回使って気合でDをフィネスしていって、D3-2ブレイクかつAオンサイドのメイク率最大プレイになるでしょう。表のDxをカットしてこのうち41.3%がジャストメイク、残りはダウンです。


まとめます。

25.4% 5メイク

60.4% 4メイク

14.0% 1ダウン

となります。


チーム戦だと①のたたくラインのほうがいいことが明らかで、ペア戦は正しく解析するならそれぞれの場合で比較する必要がありますが、確率差が大きいので①が正解でしょう。

Sのさわり方だけならフィネスのほうがよいですが、Dとの絡みを考えるとキャッシュしたほうがいいということが分かりました。


ブリッジってなかなか難しいですね。



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