4. スクイズ (squeeze)③
4-5. 複雑なスクイズ
先ほど挙げた2種類のスクイズができればほとんどクリアです。
ですが、ブリッジは奥が深く、様々なスクイズが存在します。ここから上げるものすべてマスターできる頃にはもうほとんどプロレベルだと思います。
A. ダブルスクイズ (double squeeze)
ダブルスクイズは片方のディフェンダーをポジショナルスクイズに、もう片方のディフェンダーをオートマチックスクイズにかける技術です。厳密には左右を同じ巡目にスクイズに賭ける、サイマルテニアスダブルスクイズと、違う巡目でかけるノンサイマルテニアスダブルスクイズがありますが、どちらも基本概念は同じです。ここでは前者を紹介します。
右図を見てみましょう。♣を出すとWは♥を捨てられません。捨てたら♥K♠をとられてしまいます。そこで♠の担当はEに託して♥を守ります。Nは役目が終わった♥Kを捨てます。すると今度はEはオートマチックスクイズにかかります。Eは♦Kに勝たれないように♦Aを守るしかないのですが、もう♠を守れるディフェンダーはいなくなっています。
ダブルスクイズは週1試合する人でも、年何回かは出てきます。
B. トリプルスクイズ (triple squeeze)
トリプルスクイズは片方のディフェンダーを2回スクイズする技術です。ダブルスクイズと関係がありそうな名前ですが、あんまりないです。別名をプログレッシブスクイズといいます。
様々な形がありますが、例えば右図を見てみましょう。♣を出すとWは♠♥♦の3スートでスクイズにかかります。
①Wが♠を捨てた場合、♣Aの下に♠8を捨てます。♠A、Kととり、Sから3巡目の♠を出すと、Wは♥と♦で二度目のスクイズにかかります。
②Wが♥Aを捨てた場合、同様にNで♠8を捨てておき、♠AでNに入って、♥Kの下に♦を捨ててWが♠と♦で二度目のスクイズにかかります。
③Wが♦を捨てたら①ど同様で、今度は♦で♠と♥のスクイズに入ります。
トリプルスクイズは2回のスクイズが発生しているので増えるウィナーの数は2個です。
C. ストリップスクイズ (strip squeeze)
ストリップスクイズはこれまでのスクイズと違う点があります。それは、スクイズした後にディフェンダーに負けるということです。別名をスローインスクイズともいい、スローインとスクイズの合わせ技になっています。
また、ストリップスクイズは負けに行くことが前提なので、カウントはあっていません。
例を見てみましょう。現在NS側ウィナーは2つでほしいのは4トリック中3トリックです。
今回も♣AでWが絞られます。
Wが♠を捨てるとと♠AでKが落ちてくるので、♠Qが勝てるようになります。したがって、Wは♥Kを捨てるしかないのですが、そうするとSはここで♥2でWにスローインすることができます。Wは♥Aを勝つことができますが、残った♠は打ち込みの形です。